501って、ものすごく分かりづらい。
公式サイトを見ても「オリジナル」やら「MADE IN THE USA」やら分かりづらい。デニム好きの人のブログを見ても、
「ビッグEが〜」
「アーキュエイトステッチの形が〜」
みたいな、デニム大好き人間にしか伝わらないところにフォーカスしている。
違う、そうじゃない。
私は「シルエット」と「質」と「値段」のバランスを知りたいんだ。
ということで、501をはじめて買うあなたへ。
現在、日本で簡単に手に入る501の違いについて、じっくり解説していきます。
もくじ
リーバイス501は何が違うのか
現在、日本でリーバイス501を新品で買おうとすると、主な選択肢は次の4つになります。
【501オリジナル(日本流通)】
→リーバイストラウス"ジャパン"が販売する501。日本のショップに最も置いてある。1万3000円前後
【501オリジナル(アメリカ流通)】
→リーバイストラウスが販売する501。アメリカ国内で流通しており国内で正規販売はされていないが、コアなデニムショップや楽天で売っていることがある。8000円前後。
【501 MADE IN THE USA】
→リーバイストラウスジャパンが販売する「アメリカ国内生産」に拘った501。「現行の501」の中では最も品質が高い。1万8000円前後。
【501 ビンテージクロージング】
→全世界共通で販売される、各時代を復刻した501。1890モデルや1947モデルなど、当時のシルエットや質感を忠実に再現している。3万円前後。
詳しい特徴は後述するとして、それぞれ何が違うのか。
1つずつ解説します。
生地や縫製の質
まず、シンプルに"質"が異なります。
最も有名なポイントとして「セルビッジ」が挙げられます。
【セルビッジとは】
シャトル織機と呼ばれる旧式の織機で作られたデニム。
優れた質感と色落ちが実現できるため、2万円を超えるデニムの大食いは「セルビッジ」で生産される。
501で言えば、価格の高い2つ、
- 501 MADE IN THE USA
- 501 ビンテージクロージング
この2つが「セルビッジ」を採用しています。
ちなみに、見分け方は簡単。
裾を折り返して見たとき、生地のはしっこが綺麗に整っているのがセルビッジ。糸でぐちゃぐちゃに見えるのが通常のデニムです。
生産国
今どきのアパレルアイテムなんて、大抵が途上国で大量生産されています。
生産国による品質の差はほとんど無くなり、ハイブランドでも中国生産なことも少なくありません。
だけど、「アメリカ生産のデニム」はロマンなんです。
そのため、501には「501 MADE IN THE USA」というアメリカ生産モデルがわざわざ存在しています。
ちなみに、
- 501オリジナル(日本流通モデル)
- 501オリジナル(アメリカ流通モデル)
こちらのベーシックラインは「エジブト」「ベトナム」「メキシコ」などで生産されています。
- 501 ビンテージクロージング
こちらの最上級ラインは「ブルガリア」か「トルコ」です。
少し前はアメリカ生産だったのですが、リニューアルに応じて変更されています。昔ながらのリーバイスファンからはめちゃくちゃ非難されたようです。
値段
品質と生産国が異なった結果、価格にも差が表れます。
【501オリジナル(日本流通)】
→1万3000円前後
【501オリジナル(アメリカ流通)】
→8000円前後。
【501 MADE IN THE USA】
→1万8000円前後。
【501 ビンテージクロージング】
→3万円前後。
はっきり言って、コストパフォーマンスで言えば「501オリジナル(アメリカ流通)」が圧倒的です。
この中では最も安価なラインですが、デニムの王様501であることに違いはありません。
日本ではリジッドデニム(加工されていない)しか購入できませんが、自分だけの色落ちを楽しむことが出来ます。
リーバイス501各モデルを比較
それでは、実際に購入できる501を実際の画像を見ながら、比較していきます。
ざっくり言うと、こんな感じ。
【501オリジナル(日本流通)】
→リーバイストラウス"ジャパン"が販売する501。日本のショップに最も置いてある。1万3000円前後
【501オリジナル(アメリカ流通)】
→リーバイストラウスが販売する501。アメリカ国内で流通しており国内で正規販売はされていないが、コアなデニムショップや楽天で売っていることがある。8000円前後。
【501 MADE IN THE USA】
→リーバイストラウスジャパンが販売する「アメリカ国内生産」に拘った501。「現行の501」の中では最も品質が高い。1万8000円前後。
【501 ビンテージクロージング】
→全世界共通で販売される、各時代を復刻した501。1890モデルや1947モデルなど、当時のシルエットや質感を忠実に再現している。3万円前後。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
501オリジナル(日本流通モデル)
【生地】
セルビッジではない、通常生地。
【生産国】
エジブト、メキシコなど。
【価格】
1万3000円前後。
【総評】
手に入れやすいのが魅力だが、価格と質を見ると中途半端ではある。
まず、基本になるのは「501オリジナル(日本流通モデル)」です。
名前を見れば分かるように、現代の日本における最もベーシックな501と言えます。
リーバイス公式ショップやライトオンなどの小売店に並んでいるため、入手のしやすさは圧倒的。加えて、サイズや加工モデルも豊富に揃っているため、多くの人のニーズに答えています。
ただ、501オリジナル(日本流通モデル)は、リジッドデニム(加工なし)が存在しません。
加えて、セルビッジでもなく、アメリカ生産でもない。そのため、熱心なデニムファンからは、
「現行の501オリジナルは買う価値なし!!」
なんて厳しい声が上がったりしています。
501オリジナル(アメリカ流通モデル)
【生地】
セルビッジではない、通常生地。
【生産国】
エジブト、メキシコなど。
【価格】
8000円前後。
【総評】
最もコスパの良い501と言える。加工モデルを日本で購入するのは難しいため、リジッド限定になるが欠点。
ショップ店員などのおしゃれ上級者から支持されているのは「501オリジナル(アメリカ流通モデル)」です。
先に紹介した日本流通モデルとは、
- パッチの素材
- 生地の質感
- 縫製の丁寧さ
- シルエット
などが異なりますが、よほどの拘りがない限りは「ほとんど同じ」と感じるのが本音です。
そう考えると、
「リーバイス501が8000円で買える」
というコストパフォーマンスの良さは凄まじい。
いわゆる「並行輸入品」になるため実際に手にとって選べないのが欠点ですが、楽天やAmazonなどで購入自体は簡単に行うことが出来ます。
ちなみに、「アメリカ流通モデル」は「アメリカ生産」ではありません。
ものすごく紛らわしいのですが、ご注意を。
501 MADE IN THE USA
【生地】
セルビッジで上質。
【生産国】
アメリカ。
【価格】
1万8000円前後。
【総評】
「現代の501」としては、最も品質の良いものになる。デニム好きにはファンが多いが、一般人が値段分の価値を見出せるかは微妙なライン。
501としてのロマンが詰まったモデルが「501 MADE IN THE USA」です。
シルエット自体は「501オリジナル(日本流通モデル)」と変わりませんが、
- セルビッジ
- アメリカ生産
この2つの要素によってデニム好きを唸らせる一品になっています。
加工モデルも豊富に揃っているので、
「現代の高品質な501が欲しい」
と考えているのなら間違いありません。
501 ビンテージクロージング
【生地】
セルビッジで上質。
【生産国】
ブルガリアやトルコ。
【価格】
3万円前後。
【総評】
年代によって質感やシルエットが異なるため、一概には評価できない。ただ、バリエーションが非常に豊富なため、お気に入りの一着を見つけられる可能性は高い。
100年以上続く501の歴史に触れられるのが「501 ビンテージクロージング」です。
一言で言えば「復刻モデル」ですね。
ざっくり展開されているだけでも、
- 1890年モデル
- 1937年モデル
- 1944年モデル
- 1947年モデル
- 1954年モデル
- 1955年モデル
- 1966年モデル
- 1976年モデル
と8種類以上の年代が復刻されています。興味のない人からすれば全部同じですが、デニム好きからすれば、たまらない。
そんなアイテムになっています。
現行の501と比較するのであれば、
- 1947年モデル
- 1966年モデル
あたりが人気です。
1947年モデルは、細身のストレートシルエットでスタイリッシュ。現行よりもやや細いイメージで、かっこいい雰囲気になります。
1966年モデルは、レギュラーシルエットのテーパード。現行と似ていますが、1966年モデルの方が良い意味で野暮ったい。
ビンテージショップなどで売っている高価な501はこのあたりの年代なので、漠然とした501のイメージとしては1966年モデルの方が近いかもしれません。
現行の501は、けっこう細いですから。
まとめ
今、日本で新品の501を買おうと思えば、大きく4つの選択肢があります。
【501オリジナル(日本流通)】
→リーバイストラウス"ジャパン"が販売する501。日本のショップに最も置いてある。1万3000円前後
【501オリジナル(アメリカ流通)】
→リーバイストラウスが販売する501。アメリカ国内で流通しており国内で正規販売はされていないが、コアなデニムショップや楽天で売っていることがある。8000円前後。
【501 MADE IN THE USA】
→リーバイストラウスジャパンが販売する「アメリカ国内生産」に拘った501。「現行の501」の中では最も品質が高い。1万8000円前後。
【501 ビンテージクロージング】
→全世界共通で販売される、各時代を復刻した501。1890モデルや1947モデルなど、当時のシルエットや質感を忠実に再現している。3万円前後。
どれを買うかは、あなた次第。
ちなみに、私は、
- 501オリジナル(アメリカ流通)
- 501ビンテージクロージング1966モデル
この2つを購入して、色落ちの違いを楽しんでいます。